「日本のIT力を底上げしたい」 テクノロジーアンドデザインカンパニー合同会社代表 浦上泰弘さん インタビュー

2022年7月29日

CW/CDのメンバーが、どんなライフスタイルを送っているのか気になる人にインタビューし、その声をお届けする”VOICE”。「毎日違う生活をしている人でも、同じ『Tシャツ』を共有しているという共通点を持つことで、きっと世界が平和になるであろう」という想いのもと、CW/CDコミュニティを起点に、日々のインスピレーションや、面白い繋がりが生まれることを願っています。

 

今回のインタビューでお話を伺うのは、東京を拠点にプログラミング学習チャンネルやPython学習者に向けたコミュニティ運営や先日ローンチしたばかりのプログラミングの学習サービス「KinoQuest(キノクエスト)」を手掛ける、テクノロジーアンドデザインカンパニー合同会社の代表 浦上泰弘さん。浦上さんは「より多くの人に、より質の高い学習の機会を」というコンセプトのもと、2019年9月にYouTubeチャンネル「キノコード」を開設。キノコードのYouTubeで無料配信しているIT用語やプログラミング学習についてのわかりやすい解説は多くの反響を呼び、会員数は現在14.6万人、トータル再生回数800万回を超え、その数は伸び続けています。

CW/CDのディレクター・takuroと前職で共に働いていた繋がりもあり、今回は浦上さんに、プログラミング学習のためのYouTubeチャンネル「キノコード」を始めたきっかけから、プログラミング学習の魅力、普段の生活スタイルや興味のあることについて伺いました。

テクノロジーアンドデザインカンパニー合同会社代表 浦上泰弘さん

浦上さんの普段の生活について教えてください。どんな一週間を過ごしていますか?

普段は平日も週末も全く変わらない生活をしています。僕はめっちゃ早起きなんですね、しかもロングスリーパーなのでしっかり寝ないとダメなんです(笑)大体夜の7時〜8時に寝て、朝3時くらいに起きています。

朝起きて、まず3時から6時くらいまでは本を読んだり考え事をしています。6時になったらジムに行き(コロナ禍で出勤がなくなり10キロくらい太っちゃったので…)、ジムで1~2時間くらい運動します。そのあと、午前中はYouTubeの撮影や書き物(執筆)をしたり、ミーティングをしています。午後は、ずっと家にいるのが苦手なので外で仕事をして、夕方16:00くらいに帰宅します。夕方からは家族と過ごしながら、ノートPCでメールの返信など仕事の連絡をとったりという感じですね。

IT系の方は夜型なイメージだったので驚きです。とても健康的な生活ですね!週末はどう過ごされていますか?

ありがとうございます(笑)休みは基本的にとっていないので、週末も全く同じ生活なんです。平日だから、週末だからとあまり生活を変えずにリズムを安定させて生きてます。たまには休みをとって家族と過ごしたり、午後に子供と遊んだりということはしていますね。

生活リズムが確立されているのは、どこかプログラミングなど仕事にも繋がる部分もあると思うのですが、組み立てることがお好きなんですかね?

論理的にというか、物事を構造的に考えることは多分苦手じゃないですし、好きなほうなので、そういった理由もあるのかなとは思います。


キノコード / プログラミング学習チャンネルのYouTube

「キノコード」のYouTubeチャンネルの動画を拝見しました。プログラミング初心者にもわかりやすい解説が魅力ですね。

プログラミングを学ぶなら「キノコード」の動画とWebサービスを使えば、別に本も買う必要もないし教室に行く必要もない、という状態にしたいのが私の理想ですね。

浦上さんがプログラミングを学んだり、Pythonに出会ったきっかけは何かあったのでしょうか?

実は、僕自身がプログラミングを勉強しはじめた頃の師匠が、takuroさんなんです。前職で同じ会社で働いていたのですが、業務中は勉強できないので仕事を始める1時間前に早く出社してtakuroさんと一緒に勉強していました。takuroさんは当時からプログラミングができていたので、「浦上さん、『Python』って最近分析にいけてるらしいっすよ」って教えてくれて、一緒に勉強しましょうよって誘ったのか誘われたのか記憶にないのですが(笑)、プログラミングに抵抗があった僕をフォローしてくれて。僕、当時はデータ分析をする仕事をしていたのですが、BIツールだけだと物足りなくなってきたこともあり、Pythonを使うようになりました。

プログラミングのためのツールが色々とある中でも、特にPythonをおすすめされていますね。

仕事に使えるからですね。僕が日々明日活かせる勉強を常に学ぼうと意識していて。サラリーマンの頃は毎日2-3時間ぐらいは勉強するようにしていたんですけど、その頃から翌日活かせること、しかもどちらかというと汎用的に活かせる勉強をするようにしていました。当時はBIツールやプログラミング、スケールの勉強など次の日の仕事が楽になったり結果が出せるという勉強を常に積み重ねてきたのですが、その一環としてのPythonとかスケールだったっていうことですね。

初心者がプログラミングを勉強するコツを教えてください。

まず、目標を決めること。つまり、作りたいものを決めるということですね。例えば、簡単なサービスを作ってみたければまずサービスを作ったほうがいいですし、仕事を自動化したいということであれば、ファイルやエクセルを操作して自動化できるものを最初に作ったほうがいい。顔認証の技術を使って何かしたければそこに向かって一直線に進んでいくのがおすすめです。それは、なんとなくキャリアに活かせそうだから教養として、とか、年収が上がりそうだからプログラミングを勉強するというのも、もちろん悪くはないのですが、そうすると目標が定まらず、結局何をやりたいんだっけ?と基礎の勉強に終始してしまうので。まずは「何をしたいかの目標を決める」のがおすすめですね。

あくまでプログラミングはツールとして学ぶ。そして最終的にやりたいことが明確なほうがより早く覚えられるということですね。

そう考えています。これから学習する人に関しては、プログラマーじゃなくてもプログラミングを勉強するというのはいいことだと思っていて。生産性を上げたり仕事を効率化するためにプログラミングを勉強する、マーケターであろうがライターさんも総務や人事の人でも、業務の効率化のアイディアがたくさんありますし、テクノロジーの使いこなしという意味でも、ぜひおすすめしてます。

キノコードさんのYouTubeは非常にわかりやすい解説が魅力ですね。概要に「美しく伝える」ことも挙げられていますが、「人にわかりやすく伝える」ために心がけていることはありますか?

「わかりやすく」というのはいつも意識しています。人に説明するときに、僕自身、初心者だった頃の気持ちがわかっているので、初心者だったらどうだろうということを踏まえて、わかりやすい説明の動画を作っています。私はデザインも好きなので、シンプルでスタイリッシュにつくることは意識していますね。動画を撮るのは3つがポイントだと言われていて、それはカメラと照明とマイク。色々と勉強しましたし、高い機材も揃えました(笑)

お話している声のトーンやテンポも心地よいですよね。

そういう風に言われることもありますね(笑)、でもこれは素です。

浦上さんが、ITを活用して解決したいと思う身近な課題はありますか?

すごく大きなことを言いますと、まず日本のIT化って、先進国の中で大きく遅れているんですね。なぜ遅れているかというと「生産性が低い」と言われてます。生産性が低いのは、僕はIT化が遅れているからだと思うんです。(これはすこし批判的になってしまうのですが……)、いまでも書類のハンコやファックスを使う会社がまだたくさんあります。そんなことをしていたらいつまでたっても仕事が終わらないということで、僕としてはこのプログラミングやテクノロジーをできるだけ安い値段で提供して、日本のITの底上げをするんだという気持ちでやっています。今の労働人口の約6000万人、その10%の人にリーチして、その人たちの底上げができれば自分がやっていることは社会貢献にもなると思っているので、それを実現したいです。具体的に、日本は就業1時間あたりの労働生産性は主要先進7カ国中で最下位が続いていたり、昨年の世界デジタル競争力ランキングでは64カ国中28位低いのです。これを自分の力で底上げしたいと思っています。

ちなみにIT化が進んでいる国はどこですか?

デンマークやシンガポール、またイスラエルや東欧、エストニアも有名ですよね。

浦上さんが今まで継続してきていることや、継続させる工夫があれば教えてください。

継続してきていることは、インプットとアウトプットじゃないですかね。勉強はずっと続けていますし、学んだ内容を翌日活かそうと思って勉強しています。最近は経営戦略や、昔に比べウェイトは下がりましたがプログラミングの勉強も続けています。継続させるコツは、やっぱり自分の目標を明確にしておくことが大切だと思っています。

今一番興味のあること、または今後やってみたいと思っていることがありましたら教えてください。

会社としては、できるだけ自分たちの力で日本の遅れているIT化の順番を上げるんだという気持ちでやっています。そこは早く実現したいです。なので、そのためにはやっぱり優秀な方と一緒に仕事をしたい。そもそも会社を作ってずっと思っていたことは、向上心が高く勉強が好きな人たちと実験場や研究室のように「学んだ内容を仕事で実験する場所としての会社」というのをずっとイメージしていて。そういう向上心のある優秀な人とお仕事したいと思っているので、そのためにお金を稼ぐこと、資金を集めて早く上場したいという気持ちもあります。あとは、日本のプロダクトがなかなか海外で成功しづらいと言われているので、そこも勝負してみたいなと思っています。

今回、浦上さんにはCW/CDの黒の Tシャツを着ていただきましたが、着用してみていかがでしたか?

僕自身、服装についてはできるだけあまり考えずに着たいので、考えずに服を選べて買いに行く手間もない、そしてデザイン性も優れているというこのサービスはとてもいいんじゃないかなと思っています。アイディアはとても素晴らしいし、僕も利用させていただこうと思っています。黒を着てみたのですが、やっぱり今のトレンドのデザインになっていて、オシャレだなという印象でした。

CW/CD Tシャツ BLACK

浦上さんの、今後の展開があれば教えてください。

KinoQuest(キノクエスト)」というプログラミング学習サービスをローンチしました。物事を習得するまでの「知る」「わかる」「できる」という3つのステップがあるとすると、YouTube動画では「知る」「わかる」ところまでは伝えられるのですが、「できる」までは伝えられないので、プログラミング言語を書けるようになるためのサービスですね。ここでどんどん書いて引き出しを増やし、プログラミングを自分のものにして「できる」ようにしていってほしいですね。

お忙しい中、ありがとうございました!