自由自在であるために、選択できる力を育てる。ECサイトで狩猟罠を販売する、株式会社refactory 代表 守屋将邦さん インタビュー

2022年3月27日

CW/CDのメンバーが、どんなライフスタイルを送っているのか気になる人にインタビューし、その声をお届けする”VOICE”。「毎日違う生活をしている人でも、同じ『Tシャツ』を共有しているという共通点を持つことで、きっと世界が平和になるであろう」という想いのもと、CW/CDコミュニティを起点に、日々のインスピレーションや、面白い繋がりが生まれることを願っています。

今回は、九州・宮崎を拠点にECサイトの運営やサイト構築、アプリ開発などを手掛ける株式会社refactory 代表取締役の守屋将邦さん。守屋さんは、宮崎発のITベンチャー企業 株式会社アラタナ(現在、株式会社ZOZO)の創業第1号社員として15年勤めた経歴を持ち、4年前にrefactoryを創業。町工場の経営課題の困難さを知り、ECを解決策として販路拡大のため町工場が製造している狩猟や鳥獣被害対策(イノシシ・シカなど)用の箱罠、くくり罠の通販サイト「イノホイ」を運営しています。

CW/CDのディレクター・takuroと共に高校時代を過ごした守屋さんに、「罠」を販売する事業を始めたきっかけから、宮崎での生活スタイル、今興味のあることについて伺いました。

株式会社refactory 代表取締役 守屋将邦さん

普段の生活スタイルについて教えてください。どんな一週間を過ごしていますか?

平日の朝は5時に起きます。そこから仕事を始めて、7時には子供たちにご飯を食べさせて……奥さんも自分で会社をやってるのですが、彼女は早い時間に出社して、僕は子供たちを学校や保育園に送り出したあと、家で仕事の続きをし、昼からはオフィスで過ごして夜はちょっと遅く帰る。週に2回ジムへ行ってて、夜は子供たちのケアをしてますね。週末も子供たちとスケボーをしたり、ほとんど家族で過ごしてます。


オフィスの内装は、事業テーマのひとつ「再生」をコンセプトにデザイン。床や壁には、再生材を使用している。
デスクワークスペースの他に、罠の在庫を保管する倉庫、撮影スペース、こもり部屋も。快適に働ける環境が整う。

守屋さんの会社が手掛けるECサイト「イノホイ」は、「罠」を販売していますが、ニッチな商材ですよね。販売に至るきっかけは何ですか?

僕、人生のターニングポイントはほとんど直感で決めていて。前職(株式会社ZOZO)で働いていた頃、ある日会社に宮崎でイノシシの罠を売ってるという鉄工所の方が訪ねてきたんです。受付の人から、守屋さん対応してくださいと言われて話に行ったんですね。その人が「俺は罠をつくってるんだ。この罠をZOZOTOWNで売って欲しい」って。ZOZOTOWNって何かもよくわからずに来ていたと思うんですが、その人の目を見たときに、僕の本能が「この人をこのまま返しちゃいけない」って思ったんです。それで、当時のポケットマネーでできる範囲で色々調査してみると、罠の市場ニーズはあるけれど、ECでしゃかりきになって売ってるような企業もいないし、商材としての競合優位性も全然ある。もしかしたら販管費も少なくすぐ結果が出るかもしれないと思って、最初は副業として始めました。

「イノホイ」で取り扱う商品の一部。ECサイトでは鳥獣被害対策やわな猟の知識をわかりやすく紹介。
写真は、くくり罠のセット。

宮崎に拠点を置いてからは、ローカルの新聞やTV番組に出させてもらったりしました。アラタナ、ZOZO出身のメンバーが罠を売ってるって、みんな面白がってくれますね。罠の製造もしますし、商品開発もやってます。実は僕は罠を仕掛けたことは一回もなくて。実際よろしくないと思うのですが、罠に携わってる人たちのお話を伺って、製品がどうあるべきか日々模索しています。会社では「イノホイ」の運営の他にも、ECサイトを運営している事業者さんたちの集客やマーケティングなど、技術的な部分での業務委託を受けていて、主に2つの事業で会社を推進しています。

オフィスに置いてある「罠」だるま

副業から始めて4年で、メンバーも増え成長していますね。

幸せの価値観で言ったら、もっと経済的にも会社を大きくしたいと思っています。僕たちは社是のままに行動しているのですが、それは、「ワタシ、自由自在」というビジョン。人は、選択できた時に初めて、自由自在になれる。選択できる力を持つ、ということですね。

選択できる力、とは?

例えばいま一緒にいるメンバーも、オフィスで仕事をするときはマスクをしなきゃいけないけど、マスクをして仕事をしたくなければリモートワークをすればいい。一方でも、営業利益が1億円に達成した時にIPOもできるし、IPOしなくてもいい。会社として利益の使い道が自由自在であるというのは、働くみんなのお給料も自由自在に設計ができる。そして将来的に宮崎にいてもいいし、東京でもいいし、違う別の場所にいてもいい。そういった選択ができるためには、自分自身のスキルとともに経済的な優位性が必要だから、みんなでそれを勝ち取ろうっていう。例えば発展途上国で暮らす子供たちでも、仮にご飯も食べられて、勉強もできて、サッカーもできる…という風にさまざまな選択ができた時、例えばお医者さんになろうとか、将来への可能性も広がる。僕らも頑張るし、全人類そうあって欲しいと思ってます。罠を売るのは、手段です。

守屋さんと息子さん(次男)。オフィス入り口にて。

普段はどんな服装で過ごしてますか?

洋服は(昔から)好きです。僕は、だいたいいつも同じものを買っていて。デニムだったら、ちょっと高いけどvisvimの好きな形とサイズを5-6本くらい持っていて、破れたら交換して着る。毎年ジャケットを買い足したり、たまに遊びの効いたオーバーサイズのパンツを買ったりもします。

CW/CDのTシャツを着た感想を教えてください。

もともと値段を見てたので、思ったより縫製が良く、タグのところも可愛かったです。意図的に3-4回洗って着てみたんだけど、生地の表面が荒れなくて良かったですね。コンセプトも、僕のように仕事に集中して、それ以外は家族と過ごすというような繰り返し連続の日々を過ごしている人には、ベストプラクティスっていうか……「今日はピンクが似合うかしら?」なんてやってる時間の余裕はないですからね(笑)


CW/CD Black

宮崎での生活についてお聞きしたいです。どんなところが気に入ってますか?

数年前まで東京に3年半住んでたんですが、結構東京好きになっちゃってます…(笑)
宮崎は…そうですね、空気が綺麗なところがいいですね。息子がスケボーを一生懸命やってるんですが、子供たちのスケボーやサーフィンのレベルがめちゃくちゃ高いです。サーフィンのために移住してくる人も多いのですが、サーフィンができない時は親子で一緒にスケボーをやってたり。スケボーに乗ってる時間が他県より長いこともあってレベルが高いし、去年のオリンピックでも、宮崎生まれのスケーター(女子・パークで銅メダルを獲得したスカイ・ブラウン選手 = 英国代表)が活躍していたりと、横乗りする環境のレベルが高いと思ってます。今、僕の会社の5年以内の目標の一つとして、オリンピック選手を招致できるくらいのスケートパーク場をつくるってことを準備してます。


スケートボードが大好きな息子さん(写真は長男)。週末にはオフィス近くのスケートパークで、一日中練習するそう。

おおお!それは楽しみですね。守屋さんのお子さん、スケボーすごく上手ですよね。

彼は運動神経が良い方ではないのですが、環境が人を変えるというのは、子供たちにとっても大きいことだと思いますね。宮崎って『世界のトップレベルのもの』に触れる機会がどうしても少なくて。今スケボーをしている子たちもすごく上手いんだけど、次の課題にあたるのは、世界レベルの何かに触れるという環境。野球やサッカーは宮崎にキャンプに来ますが、今後はスケボーでも、例えばオリンピック選手たちが宮崎でキャンプをやりたいなって思うような施設を何としてでも作りたいと思ってます。間近で世界レベルの選手のプレーを見られることは、地元の子供たちの選択の可能性を大きく広げると思ってます。

実現をとても楽しみにしてます!
逆に、宮崎にこうなってほしい、というようなところはありますか?

うーん、無いかも。ちょっとずつの不満はみんなあると思いますが、「宮崎の仕様はこう」ってわかって付き合えば、そこに足りない部分や変えたいところがあったとしても時間やお金をかけさえすればいくらでもカスタマイズできる。不満があるとすれば、飛行機代が高いところかな。

それでは最後の質問です。今一番興味のあることは?

興味のあること……奥さんですかね(笑)女性としても好きだし…年齢を重ねて、女性というか母や妻という割合が大きくなってきたときに、お互いへの向き合い方を変えていくと、一緒に過ごす時間の楽しみ方が変化するのが楽しいですね。最近だと、今まで旅行とか贅沢はひとしきりやってみたから、朝5時に起きて一緒にヨガをしてみようとか。そういう風に2人でリフレッシュできたり、いつも隣にいる彼女だけれど、その彼女をどうやったらお互い好きでいられるか、奥さんを愛することを科学する(笑)!

ありがとうございました!